どんな事でも「初めて」と言うものは怖い物なのは俺はよく知っていた。
記憶喪失の自分なら尚更だ…。
自分が目を醒ましたあの日から、自分がこうして生きているのを強制的に実感させられた。
それはまるで産まれたばかりの赤ん坊の様に…。
ただ違うのは、赤ん坊よりも遥かに色々な物心を既に持ち、色々な物を知りすぎていた。
なのに、記憶だけがすっかり抜かれている。
それがとても怖かった。今でも嫌と言う良く覚えている。
でも、もう慣れてしまった。
その恐怖には慣れてしまったんだ。
あの日から起こった事はその全てが「初めて」ばかりで、当たって砕ける精神で今までやってきた。
そんな俺が、立ち止まるなんて自分でも驚く程に意外だった。
「恋」って言うのは、そう言う物なんだろうか…
記憶喪失の自分なら尚更だ…。
自分が目を醒ましたあの日から、自分がこうして生きているのを強制的に実感させられた。
それはまるで産まれたばかりの赤ん坊の様に…。
ただ違うのは、赤ん坊よりも遥かに色々な物心を既に持ち、色々な物を知りすぎていた。
なのに、記憶だけがすっかり抜かれている。
それがとても怖かった。今でも嫌と言う良く覚えている。
でも、もう慣れてしまった。
その恐怖には慣れてしまったんだ。
あの日から起こった事はその全てが「初めて」ばかりで、当たって砕ける精神で今までやってきた。
そんな俺が、立ち止まるなんて自分でも驚く程に意外だった。
「恋」って言うのは、そう言う物なんだろうか…


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.784/img/book/genre4.png)
