Cold Phantom [前編]

(それでなくても引っ込み思案で奥手なんだから、彼氏の一人でも作ってその性格治さないと駄目!)
そんな時、ふとみーちゃんのセリフを思い出した。
「彼氏、か…」
私は静かに呟いた。
すると…
「お、祥子の口からそんな意味深に『彼氏』なんて言葉が出るなんて珍しい。」
反応したのはみーちゃんだった。
「はっ!?」
思わず私は口を閉じたが時既に遅かった。
「そうかぁ…祥子もようやく気になる人を見つけたんだねぇ…お姉ちゃん嬉しいよ。」
と嘘泣きを演じていたみーちゃん。
「お姉ちゃんって…同い年でしょみーちゃん。」
「いやいや、祥子相手だとどうも私がしっかりしないと、って思っちゃうからついつい。」
「もう、何言ってるんだか…。」
私は呆れながらみーちゃんから視線を反らす。
みーちゃんはその反応ににやにやしっぱなしだった。