Cold Phantom [前編]

3号と言う事は少なくても3人は私目的で来ていると言うことだ。
その真実が少し信じられなかった。
「ちなみに、9号までいるよ。」
…9人もいるとは。
「で、でも…その人が私目的だって完全には言い切れないんじゃない。質問するわけじゃないんだし。」
「それはないわね。」
とはっきり言ったのは何故か紗冬美の方だった。
「私も見てて直ぐに分かったけど、今日のカウンター席にいた3号?…はずっと祥子を見ていたもの、他人の私が見てもあからさまにお熱なのが分かったわ。」
「そう…かなぁ?」
私は尚も半信半疑だった。
だけど…
「世の中色々な人がいるのよ。美咲みたいに活発な子が好きな人もいれば、祥子の様に穏やかな子が好きな人もいる。9人の男を射止めたんだから大した物だって思うわ。自信持ちなさい。」
「…」
言われて私は何も言えなかった。
(自信、と言われても…)
何に対する自信なのかよく分からない。