1月上旬…
学校が始まってまだ間もない頃、里村は本命の高校の受験に行く事になった。
驚いた事だが、里村の本命の高校は全くの他府県だった。それもお出掛け程度は愚か旅行よろしくの覚悟で挑まないと行けない様な遠いところだ。
「そんなに遠いだなんて思わなかったなぁ。もっと早く言ってくれてもよかったのに…」
たけが少し悲しそうな口調で里村に言う。無理もない、この数ヶ月で随分と仲良くなった親友だ。再会し辛い距離にまで離れ離れになるのは正直寂しい…だが里村は…
「勉強してる途中で言っちゃったら集中出来ないだろうと思ってな。当日になるまで言わなかったよ。」
そう言って笑顔で答えた。
そんな里村を見ていると、不思議と寂しい気持ちにはならなかった。
「俺さ、お前達に会えて良かったと思うんだ。俺も俺なりに悩んだり迷ったりしながら色々と迷走してた事があったんだ。」
「そう…なのか? 行きたい高校を3年になる頃からスパッと決めちゃってた物だからてっきり迷いが無い物だと思ってたが…」
「本人にしか解らない事だってあるって事だよ。」
里村はそう答えた後近づいてくる車の姿を見るなりため息をつきこう言う。
「俺なりの目標を決めたんだ。」
学校が始まってまだ間もない頃、里村は本命の高校の受験に行く事になった。
驚いた事だが、里村の本命の高校は全くの他府県だった。それもお出掛け程度は愚か旅行よろしくの覚悟で挑まないと行けない様な遠いところだ。
「そんなに遠いだなんて思わなかったなぁ。もっと早く言ってくれてもよかったのに…」
たけが少し悲しそうな口調で里村に言う。無理もない、この数ヶ月で随分と仲良くなった親友だ。再会し辛い距離にまで離れ離れになるのは正直寂しい…だが里村は…
「勉強してる途中で言っちゃったら集中出来ないだろうと思ってな。当日になるまで言わなかったよ。」
そう言って笑顔で答えた。
そんな里村を見ていると、不思議と寂しい気持ちにはならなかった。
「俺さ、お前達に会えて良かったと思うんだ。俺も俺なりに悩んだり迷ったりしながら色々と迷走してた事があったんだ。」
「そう…なのか? 行きたい高校を3年になる頃からスパッと決めちゃってた物だからてっきり迷いが無い物だと思ってたが…」
「本人にしか解らない事だってあるって事だよ。」
里村はそう答えた後近づいてくる車の姿を見るなりため息をつきこう言う。
「俺なりの目標を決めたんだ。」


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.762/img/book/genre4.png)
