Cold Phantom [前編]

翌日…

朝から祥子先輩が色々と話しかけてくる。
話題はやはりバイトの事だった。
先輩は俺達の事を歓迎している様だ。
まだ受かると決まってもいないのに先輩の中では既に決まっている様な話しぶりで話しかけてくる。
美咲先輩もやれやれと言わんばかりの反応を見せたが、まんざらでも無いようで…
「やっと私も身が軽くなるね。」
とそんな事をポツリと言っていた。
一人でやるのは嫌いでは無いようだが、毎年の夏はそれなりに覚悟するらしい。
連休の飲食業の宿命だとか何とか…
大手のチェーン店には流石に負ける様だがそれでも毎日が戦場だと言う。
まぁそれはいいが、どうにも先輩達は既に受かっている前提で話している様に聞こえるのは気のせいだろうか。
放課後になって先輩達に質問すると、祥子先輩曰く…
「もう受かってると思って良いと思うよ。」
と一言そう言った。