Cold Phantom [前編]

マスターはもうすぐ３０半ばになる子持ちの女性。
名前は青坂 優（あおさか ゆう）
ちなみにこの店の名前も「you」
マスターが赤ん坊の頃に親が付けた店名らしい。
ちょっと厳しい時もあるが、友好関係は大事にする性格で地元の人間には好かれていた。
勿論私もマスターが好きだ。
昔使っていたコーヒーメーカーを丸ごと私にプレゼントしてくれた張本人だし、中身はとても器の大きい人だった。
黒髪の短いポニーテールが印象的でボディラインも中々と言う噂を聞くちょっとした美貌人で商店街の有名人だ。
子供を産んで直ぐに未亡人になったようで、女手一つで今の子供を養っている。
「美咲ぃ～、買い物行ってきて欲しいんだけど。」
「了解マスター。今日もいつものやつ？」
「プラスαがもれなくついてるけどね。」
「うわっ、何だか嫌な予感が…。」
そう言いながらすごすごと厨房に入っていくみーちゃん。
そのすぐ後…
「えぇぇ！？ちょっ、これ、多すぎ！」
「ほら、ぶつくさ言わないで行ってくる！スーパーがもうすぐ閉まっちゃうんだし、閉店時間も近いんだから。」