「はい、どうぞ。」
先輩はゆっくりとコーヒーカップを目前に置いた。ご丁寧に受け皿まである。
インスタントでは無いみたいで、持ってくるまでに少し時間が掛かっていたし、目前に置かれたコーヒーは素人にも明らかに解るほどの高級感に溢れていた。薫りから全然違っていたからだ。
「あの先輩、これって…。」
「ん?」
ボーッとしている間に先輩は既にコーヒーをたしなんでいた。
フレッシュも砂糖も入れた素振りを見せていなかったが、もしかしてブラックなんだろうか…
「口に合わなかった?普通で良いって言うからアメリカンにしたんだけど。」
とさも当然のように言ってのけた。
「これって先輩の趣味ですか?」
「うん。2年位前からコーヒーが好きになってね。最近は本格的に作らないと気がすまなくて、いつも専門店でコーヒー貰ってくるし。」
先輩はそう言った。
そんな先輩の意外な趣味を驚きつつもとりあえず出された物は戴いた。
しばらくしても雨はやむ気配を見せず、飲みきったコーヒーカップは香り豊かな湯気を静かにあげていた。
先輩はゆっくりとコーヒーカップを目前に置いた。ご丁寧に受け皿まである。
インスタントでは無いみたいで、持ってくるまでに少し時間が掛かっていたし、目前に置かれたコーヒーは素人にも明らかに解るほどの高級感に溢れていた。薫りから全然違っていたからだ。
「あの先輩、これって…。」
「ん?」
ボーッとしている間に先輩は既にコーヒーをたしなんでいた。
フレッシュも砂糖も入れた素振りを見せていなかったが、もしかしてブラックなんだろうか…
「口に合わなかった?普通で良いって言うからアメリカンにしたんだけど。」
とさも当然のように言ってのけた。
「これって先輩の趣味ですか?」
「うん。2年位前からコーヒーが好きになってね。最近は本格的に作らないと気がすまなくて、いつも専門店でコーヒー貰ってくるし。」
先輩はそう言った。
そんな先輩の意外な趣味を驚きつつもとりあえず出された物は戴いた。
しばらくしても雨はやむ気配を見せず、飲みきったコーヒーカップは香り豊かな湯気を静かにあげていた。


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre4.png)
