「…そこで俺はあいつの腕を掴み、必死に引き留めた。『何をしている。この先がどんな状態なのか、まさか解らないとは言わせない。』」
ようやく長い授業も6限目に入り、生徒の多人数が授業そっちのけでこれからの時間をどう有効活用しようか考え始めているのが目に見える時間帯。
国語の音読をしていたのは、私の席からずっと離れた湯川君だった。
一通り音読し終えると先生はゆっくりと背中を見せ、勉強内容を書いていく。
それに合わせるように私も書き写す。
音読の内容は半世紀以上前にあった世界大戦の内容だった。
詳しくは大戦末期から敗戦後暫くの間の出来事を書き綴った痛々しい内容のノンフィクション物だった。
昨日の予習でとりあえず全部読んでおいたから大体は解っていた。
まぁ、音読とは言うものの声に出して予習はしていないけど…。
6限目もそろそろ終わろうかとする3時過ぎ、不意に窓から覗いた夕焼けが目に写る。
A棟の窓際は学校の外部、つまり町の景色を一望出来る場所だった。
高い山々に囲まれた小さな町を見下ろせる場所だけに初めは感銘を覚えた物だった。
慣れてしまえばなんと言う事は無いんだけど…
ようやく長い授業も6限目に入り、生徒の多人数が授業そっちのけでこれからの時間をどう有効活用しようか考え始めているのが目に見える時間帯。
国語の音読をしていたのは、私の席からずっと離れた湯川君だった。
一通り音読し終えると先生はゆっくりと背中を見せ、勉強内容を書いていく。
それに合わせるように私も書き写す。
音読の内容は半世紀以上前にあった世界大戦の内容だった。
詳しくは大戦末期から敗戦後暫くの間の出来事を書き綴った痛々しい内容のノンフィクション物だった。
昨日の予習でとりあえず全部読んでおいたから大体は解っていた。
まぁ、音読とは言うものの声に出して予習はしていないけど…。
6限目もそろそろ終わろうかとする3時過ぎ、不意に窓から覗いた夕焼けが目に写る。
A棟の窓際は学校の外部、つまり町の景色を一望出来る場所だった。
高い山々に囲まれた小さな町を見下ろせる場所だけに初めは感銘を覚えた物だった。
慣れてしまえばなんと言う事は無いんだけど…


![Cold Phantom [後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre4.png)
