Cold Phantom [前編]

「なるほどね、確かにそう言う人が入ってくれたら心強いかな。」
私はそれを聞いて安心した。
色々と心配していたけど問題は無さそうな感じだった。
でも、来れなかった理由ってなんだろう。
音楽バカって言うくらい何だから楽しみにしていただろうに…

授業が退屈なのは不変な事。
それはみーちゃんの決まり文句だった。
言いたい事は良く分かってるつもりだった。
私も真面目な方じゃない。
普通にノートを取ってちょっとだけ予習して…普通の事をしているだけ。
少なくとも私にとっては普通だった。
だから…
「みーちゃん、みーーちゃん!」
私は目の前で寝ているみーちゃんを起こさなくてはいけない。
普段なら起こすの可愛そうだとか思って起こさないけど、事情が事情だった。
「う、うーん…おかけになった電話番号は現在使われて…おり…ま……ZZzz……。」
…とりあえず、これもいつも通りの反応だった。
「まったく、俺が話してるのに居留守とは良い度胸だな。いつもの事ながら…」
「んぁ?」
その言葉にようやく目が醒めた様子のみーちゃん。
回りではみーちゃんの寝言に笑いを堪えてる人が多かった。