純君との電話を切ると、真紀からメールが一通届いていた。
『聞いて。剛の野郎、客と枕してた。色恋はしないっていってたのに。最悪!泣きすぎて明日は学校いけそうに無い↓』
あたしはすぐに真紀に電話をかけた。
話によると、真紀の彼氏の剛君は、
今月バースデーイベントを控えていて、
イベント成功させるためにお客さんに色恋営業を始めたらしい。
二人の間で色恋はやめようという決まりだったのに、
一番お金を落としてくれそうな女の子と
一緒に寝てしまったらしい。
真紀は電話中、ひっきりなしに「これだからホストは嫌いだ」と繰り返した。
接客という仕事。
女を売る仕事の反対に、
彼らは男を売っている。
色恋、本営、友営、枕、・・・・
人間の感情は至ってシンプルだ。
嵌れば大金を落としていく。
好きになればなるほど、
恋愛に不器用であればあるほど、
金で心を動かそうとしてしまう。
あたしは真紀の話を聞きながら、
純君のことをまた考えていた。
