純君の後に、
幹部補佐という25歳のレン君、
ホスト長というわけの分からない役職の霞君と喋った。
二人とも会話が上手く、
あたしはなんだか良い勉強会に来た気分だった。
でも、
あたしはホストファッションというものが理解できない人らしく、
ヴィジュアルに魅力を感じる人はやっぱり居なかった。
「愛、どぉ?楽しかった?!」
芽衣ちゃんと健二君はもはや別のテーブルの人達のようだった。
「うん、楽しかった。勉強になったよ。」
「あははぁ!よかったぁ。んじゃ今日はもう帰ろう!今日は幾ら?」
「えーっとね、5万4千円。」
そういわれて芽衣ちゃんは財布から4万を出し、
「あとは掛けで。」
と言った。
「ちゃんと月末までに払えよ。」
健二君は少し怖い顔つきでそう言った。
「毎回払ってるやん。あんまおらついたらもうこーへんからな!」
「嘘。芽衣のことは信じてるから。」
「そぉやで。んじゃ帰るわ。・・・あ、愛、送り誰にする?!」
ぼーっと二人の会話を聞いていたあたしはびくっとした。
「お、送り?」
「うん、送り指名っていうのかな・・気に入った子おった?」
「あ、うん、いいよ、いらない。それ。」
「ほんまぁ?もったいないなぁ・・・まぁ愛がそういうんなら、仕方ないわ。」
「お客様お帰りでーす!!」
と健二君が叫ぶと、
「ありがとーございましたーっ!」
と他のホストたちは口を揃えて言った。
そして健二君と3人で階段を上がった。
