あたしはビクビクしながら、
ソファに腰掛けた。
するとすぐに、健二君が来た。
「愛ちゃん今日ありがとね!」
「あ、いえ。なんか、緊張しますね。」
「楽しんでいってよ!いつもは付けないんだけど、特別に幹部のやつらつけるからさ。今来ると思うんだけど・・・。」
そういうと健二君は店内を見回した。
「あ、来た来た。」
奥から、長身の、グレーのスーツに身を包んだ人が歩いてきた。
「お邪魔しマース!!!色恋担当、純でーっす!!」
切れ長の目。
高い鼻。
青い鼻ピアス。
「あ。」
あたしと、
純と名乗るその男は、同時に口をぽかんと開けた。
「・・・見たことある。」
あたしは眉を顰めた。
「俺も、見たことある。・・・・タクシーの子!」
「なになに、知り合いなの?」
「知り合いじゃないです。全く。」
あたしは不機嫌そうに答えた。
「あのときは、ごめんね?!」
「別に気にしてないです。」
「嘘っ、なんか第一印象最悪?!ウケル!!」
「うけねぇよ!!!」
「愛?!」
トイレから戻ってきた芽衣ちゃんはびっくりしている。
「何きれてんの?!純なんかしたんちゃう?!」
「したよぉな・・・してないよぉな・・・。」
「ま、まぁさ、とりあえず落ち着いて。純は初回つけないんだよ、いつも。今日はレアだからっ!楽しんでっ!!」
健二君はそういってソファに腰掛けた。