新宿ALTA前。

今日は大学の春休み最終日。

明日からの学校に備えて、春物を揃えた。


少し買い過ぎた。
お金無いのに。

腕が痛い。

早く帰ろう。

あたしは駅に向かって歩きだした。





「すみません。」



またスカウトか…

今日で四回目。



「すみません。ほんとに、少しだけ!おねがいします!」


しつこい。



「話だけ聞いてもらえませんか!」


歩く速度を速める。

その瞬間、腕にかかえたショップバックの紐がプチッと音を立てた。



バサバサ。


やっちゃった…



「大丈夫ですか!?拾いますよ!」



「あぁ。大丈夫です、ほんと…ごめんなさい」




信号の前はあたしのせいで大混雑だ。