次の日。



予定通り、仕事が終わったあたしは一旦家に戻り支度をした。



少しして梓からメールが来て急いでマンションの下に降りると…



「はっ?」




そこには普段とは全然違う二人が立っていた。



「ちょっ!どしたのその格好!!」



びっくりして聞くと、



「えー?いつもと一緒だよぉ!」



とか言い出した。



いやいや!
今まで一度もそんなにお洒落してる姿なんて見た事ありませんから!!



呆気に取られポカーンと二人を見つめてると




「あ!来た!」



と梓が一台の車を指さした。

車はマンションの前で止まり、窓が開いた。


「お疲れ。乗って乗って!」



窓の奥から顔を出したのはあたしの上司だった。


「おじゃましま~す」



と後部座席に乗り込む。

あたしは一番最後。



ちょっと狭いなーと思いながら座った瞬間。



助手席にもう一人乗っている事に気付いた。



「こいつ和也。知ってるだろ?」



そう紹介された和也は少しだけ後ろを振り返り会釈をした。



梓も沙織も和也の事は知っているようだが、あたしは知らなかった。



初めて見る顔。



でも…なんだろう




初めて見る気がしない。




あ、わかった。




似てるんだ




昔付き合ってた人に。




お店へ向かう車の中で




和也を見ながら昔の事を考えていた。





これからあたしと和也の間に






いろんな出来事が起こるなんて






その時は思いもしなかった。