ドスッ。



「つ、着いたぁ~…」



重たい荷物をやっと降ろして、部屋に寝転ぶ。



上京してきたのは実は東京ではなく…




茨城。
派遣社員として採用され、寮に入った。



今日からここで私の新しい生活が始まるんだ。


ドキドキという不安と


ワクワクという期待が


交互に襲ってくる。



この小さな部屋で寝転びながら、いろんな事を考えた。




ピンポーン。



あれ、チャイムだ。

…誰?
派遣の担当者ならさっき帰ったはずだけど。

知り合いがいないから恐る恐るドアを開けた。


「こんにちは~」



そこには4人の女の人が立っていた。
何だかわからずキョトンとしている私を見て、彼女達の1人が口を開いた。



「私達もね、北海道からこっちに来たの。同じ寮だからご挨拶がてら食事でもどうかと思って。」


どうやら彼女達は、あたしがこれから働く会社の職場仲間のようだった。



なんだ。

びっくりした。


せっかく来てくれたのに断るのも悪いと思った私は、彼女達に付いて行く事にした。


近くの居酒屋で、お互い自己紹介をした。



奈々 25才。


梓 23才。


沙織 24才。


明美 24才。


みんな同年代。
すぐに打ち解けた。


同じ北海道で生まれ育ったのに、茨城で出会うなんてなんか不思議な感じだね。


いろいろ話をしながら夜は更けていった。