青ビーダマ


キーンコーンカーンコーン…

休み時間後も、投げられた後の痛みが残っている。

ズキズキというようなジンジンというような、何か違和感がある。

「あはは!ガク先チョーク投げるとかどんだけー!?」

小夏の机の前で、唾が飛びそうな程大声で笑うのは、親友の難波胡(ナニワ クルミ)。

一つ隣のクラスだが、さっきの騒ぎに気付いてこちらまでやってきたという、お茶目で暇な女の子。

ちなみに"ガク先"と言うのは、先程小夏の額にチョークを投げ付けた女教師。

赤い額縁メガネがお似合いで、周りから見るとスパルタ教師っぽいので、一部の生徒からそう言われている。

「ガク先生、美人なのにこんな呼び方されてるって知ったら自信失うよね。」

「失え失え!そいで学校辞めちまえばいいんだぁ!わははは!!」

胡は人の不幸(特に嫌いな人)を喜ぶという変な一面もあるが、

人の幸せを喜ぶ、という隠れた優しさもある、いい親友なのだ。

「ガク先の馬鹿ぁー!!あひゃひゃ!!」



ただ…その隠れた優しさに気付くまでが問題なのだが。