あの太陽が顔を出した時、先生が慣れたように笛を吹き鳴らす。

それと同時に、生徒達が一斉に刄を見せて戦う。

でも楠小夏は、こんな風景を見ているのではなく…



愛しい幼馴染みを、愛しい目で見つめていた。



クラスが違う事もあって、今彼のクラスは嬉しい事に体育の時間。

窓と隣り合わせの小夏の席は特等席だった。

先生のチョークで黒板叩く音も、隣の席の男子の教科書をめくる音も聞こえない。

手に持つシャーペンは、今にも指と指の間からずり落ちそうだ。

だが、先生の手に持つチョークはずり落ちるどころか…



シュッ



コ――――ンッ



「…あ痛っ!?」



見事、目がハートマークの小夏の額に命中。