とおりゃんせ【短編】


さきほどは


小さくしか見えなかった人影が


今はもう目の前にまで来ている


その人は女学生のようだった


部活の帰りか ジャージ姿に


テニスのラケットを掲げ


疲れた様子で歩いてくる


『こんな所に柵があったら


邪魔で通りにくいわね・・・』


良枝は 女学生のために


いったん柵をどかそうと


柵に手をかけた