〇〇〇
ガラッ
「お~、タカ」
「何?」
「お前、英語の宿題やった?今日小テストだってよ」
「ばっか、タカがやる訳無いじゃん」
教室の後ろの方でそんな声がしたけど、私は振り向く事が出来なかった。
あの日以来、私達の間には気まずい雰囲気が漂ってる。
今までどうやって普通に会話してたのかすら、正直思い出せないくらい何て言うか……話し掛けづらい。
つい、意識しすぎて高広を避ける自分がいた。
そんな状況なのに……タイミング悪く高広と男子達が座ったのは、私の真後ろ。
―だめだ……気まずい―
いたたまれなくなった私が、席を離れようとした時だった。
「宿題した」
思いがけない高広の言葉に男子達共々私の動きも止まる。