からくり姫と戦士  ブレイクムーンワールド01

宮殿を離れて逃げ出す官僚たち

そして誰一人ハッシュアンの身を案じてハッシュアンのもとへやってくる者が居なかったのも幸いといったら幸いだった

事態を把握した戦士アールは活動モードに切り替わり
ハッシュアンを上手くエスコートして宮殿の外へと逃げた

その時、宮殿を攻撃している飛行戦艦の紋章をしっかり焼き付けたアールはハッシュアンに一言告げた
「あの紋章は遠国のものです
ルージーラッダー王国のものです、もちろん彼らは国際社会においては影響力の強い強国です…しかも遺跡発掘に於いても他国を一歩も二歩もリードしています」

「おまえたちも手を焼いている国のようだな…」

戦士アールは首を縦に振った。


宮殿を命からがら脱出した民は一路西の都へと向かった
この様子では都も何らかの攻撃を受けているらしいことは明らかだった


ハッシュアンとアールとそして機械人のビーグは民とは別の東へと向かった
その先 歩いて二日ばかりの距離に 遺跡管理体 の組織たちとの合流場所があった。


この平和だった国に
戦乱の余波が及んだ

もはや宮殿の内乱以上に厄介な事態に直面していた


9歳にして奇跡の力で視力を手に入れた皇女は
自分の国全てを失う宿命を背負った
もはや王宮としての建物はその姿をとどめておらず
国はいやがうえにも戦乱に巻き込まれる羽目となった。

かつて王宮に住んでいた者たちはハッシュアン皇女はあのときの攻撃で
命を落としたと信じてやまなかった

ハッシュアンとその唯一の忠実なしもべの機械人ビーグは
新たな運命と、新たな世界へと旅立っていった。


世界は大きな戦乱の渦に飲まれようとしていた…