その国王正室もまた、国王との不仲が乗じて離宮され。

やはり第二夫人から正室に格上げされた義母の下

もはや視力を持たぬハッシュアン皇女は10歳の誕生日により
王室規定により宮殿から追放され
いまや正室となった女性の直系の少年がハッシュアン皇女に代わり王位継承権を得るという運命が待ち構えていた。

ハッシュアン皇女にとって義理の母である
現在の正室は
ハッシュアンに遊び相手はおろか
食事と着替え以外は何一つ与えなかった。

唯一 ハッシュアンに与えられたのは
王室内で気味悪がられていた機械人の ビーグ だけだった

王室内では現在でも機械人を気味悪がる風習が強く
王室内に必ず一台機械人を置けという初代皇帝の遺言のみで
ビーグはかろうじて王宮からの追放は免れていた。

ビーグをハッシュアン皇女に近づけていたのは
単に軽い気持ちでの正室からの皇女への意地悪からだった。