宮殿の建てられた場所は
荒れた大地にあった
この宮殿が直接統治する王国の首都は宮殿の東に12ジールライド移動した場所にあった。
ジールライドとは直接健全な大人が一日歩いて移動できる距離の単位で
実質上 この国の宮殿は10日以上歩かなければ街にはつけない立地条件にあった。
そのような場所に王宮が建てられた理由はいろいろとささやかれていた
この王宮が国民たちの真の信頼を得ていなかった歴史とか
初代王が人間嫌いだったとか いろいろな説がはびこっていた
ただそういった事情が
王宮内の勝手な事件を誘発させているといった事実は明確だった
戦士アールが王宮に出入りし始めた頃より
王宮の外には
ウォッチャーと名のる正体不明な戦士の出没が事実上認められるようになった
ウォッチャーは全身に高度な戦闘能力を秘めたものたちだった
現在戦士アールにとっては
最も手ごわい種類の戦闘種族だった
遺跡の特殊装置を使い 瞬時にテレポートしたり
自在に空間を高速移動する能力も持ち
全身に強力な殺傷武器を持ち
あるものは傭兵として大国の手先として世界は活用していた
真夏のその日
戦士アールが宮殿に訪れたことを察知した二人のウォッチャーは
宮殿に入る前のアールとの間で戦闘が開始された…
二人のウォッチャーの一人は巨漢の中年の男性
高い戦闘力と共に強力なスタミナとパワーを持ち合わせていた
もう一人はアールと同じく二十代後半に差し掛かったしなやかなスリムなボディで俊敏な高速移動を得意とする女性戦士


