アールはとても従順な弟子のように
一途にモルハを慕っていた。

それとは関係なく
モルハはアールに戦士として自分ひとりで生きていく
ための力を植えつけようとしていた。

モルハはとにかく周囲の人物たちのカリスマだった。
彼はとにかく自分に同調し同じ志を持ち寄り付いてくる人物をとても大切に扱った。

アールはそんなモルハのそういったところを彼女自身の長所として受け継ぎたいと真剣に悩んでいた…モルハのようになろう、そういった想いが、よけいにアールを戦士としての生きる道に引き入れていったのかもしれない。

モルハはとある不思議な所有物を密かに持っていた。
とある遠国では 万能 と意味合い付けられた言葉である プレラ というシステムだった。

プレラ は特有の磁場を発生させる小型の機械だったが、
この世界の遺跡から発掘される前時代のオーバーテクノロジーの中では
基本とされるものだった。

プレラは理解力を高めるものだった
それと同時に人間の精神を安定させる効力も持っていた。

モルハのあまりにも崇高な人間性がそこから来ているものと考えると
ややしらけたりするものだが、 モルハは確実に進んだ、進化した領域に染まっていたことは確かなことだった。



戦争をすること、 国家間で武器商人として
戦争の発生に加担すること

これらはどう考えても
正当化できるものでもなく
そのことは常にモルハによる言葉でも繰り返されていた

ただ、モルハはこの世界のことをまるで考えていないわけではなかった。

前時代の高度テクノロジーはやはり
世界が戦争によって拡張されていくことで生まれた副産物で

目に見えない領域から
とてつもない脅威にこの世界はさらされている事実を理解していたモルハは

世界中の国々が無力で居るべきでは無いとさえ考えていた。