胸が苦しい…… 男は自身の身体に違和感を覚える。 走った胸の苦しさではなく、もっと痛い苦しみに支配される。 何事かと、自分の胸に視線を落とせば、 胸を突き出て、月明かりの淡い光を放つ、氷の刃。 刺された。と男が思うよりも早く、不思議な熱気が身体を覆い、そして…… _