キャバ嬢として、1人戦っている曖羅を拓はいつも心配していた。
そして、同じように曖羅は拓を心配していた。
お互い風俗や水商売なんかやってるけど、関係なんか変わるわけなかった。



「曖羅は猫かぶり、だな」
「何、いきなり」
「職場だと、冷えてて高いプライド持ってるのに、今は泣き虫で寂びしん坊で甘えん坊」
「悪い?」
「悪くねぇよ、俺はそこに惹かれたんだし」
「なら、良かった」



その後、曖羅はシャワーを浴び、長い髪にタオルを巻いて出てきた。



「おっセクシーじゃん♪」
「セクハラーっ」
「って、髪乾かしてやるから来い」



拓に髪を乾かしてもらう。
拓の手が髪に触れる。
…とても心地良い。

曖羅は、拓を信じて身を任せた。



「拓、絶対離れないからね!」
「何言ってんだ、バァーカ!あったりめぇだ!」


もう、2人には悩みはなかった。