たまに、酒に潰れて騒ぎを起こす客もいる。
だが、いつもと同じ様に接し、客を帰す。



「拓、たまには暴れろよ」



同僚が客に連れられ、アフターに出る。
拓はその間、皿洗いをしたり、後片付けをしたり。



「なぁ、お前はどうして店に入ってきた?」



皿洗いを終え、帰ろうとしている拓を同僚の由愛が呼び止めた。




「・・・好きな人と約束してるんで」
「好きな女、って訳か。じゃあ、お前がこの世界に入ってきたのは知ってるのか?」
「あぁ、そいつキャバ嬢だからな」



拓の言葉に、驚きた由愛の目が変わった。
たぶん、水商売をしている曖羅のことを汚いとおもったのだろう。
別れたがいい、と拓に薦め由愛は立ち去った。