「これは天使の唄」






「天使の?」








「そう。だから天使と天使みたいに綺麗な心の人にしか聞こえない」











「あたし天使じゃないし、心が綺麗なのかな?」












「そうなんじゃない。」









綺麗な髪



美形の顔



そして綺麗な澄んだ歌声。







「あたしは心が綺麗じゃないよ。」











「どうして?」











「あたし家でてきちゃったし、彼氏殴っちゃったし心が綺麗な人はこんな事しないでしょ?」












「心が綺麗でも少しくらい悪があるんだよ。こんな所に生まれてきた運命なんだ。」












「運命?」










「そう、運命。」









「………。」












「ねぇ。家出てきて行く場所ないんでしょ?」










「な・・なんで」







「こんな時間にこんな所でウロウロしてたらわかるよ。」








「うっ…」








「ねぇ!何も考えなくていい場所に連れてってあげるよ。」