「病院…?」


「そうだよ。裕。」


「なんでオレ…」


「えっ…!?」



10時間前のコト。


あたしは

あくびをしながら

学校に向かっていた。

「ねむ…」

「おーい。みさぁー。」

あたしは

振り返った。

二人ぐみの

制服の男子が

こっちに走って来る。

「おはよ。みさ。」


「おはよみさチャン」


「おはよ…」


あたしは

あくび交じりに

言った。


「どうしたんだよ。
寝不足か?」


「うん。夜中まで宿題やってて。」


「そっかぁ…ってオレ、まだ宿題やってねぇんだけど…」


「はぁ!?このオレでもやって来たんだぜ。」

「ヤバいんじゃない?今回の宿題、多かったしね。」


「だよなぁ…」


「でも、先生も先生
だよね。入試の翌日に、大量の宿題出すなんて、もう勉強なんて、こりごりだっつーのに。」


「ねぇ、みさチャンは入試どーだった?」


「まぁまぁかなぁ…
自信ないけどね。」


「なぁみさ、今何時?」

「今?8時、15分…!?」

「おい…ヤベぇじゃん!!」


「完全チコクだぁー!」

「走れー!!!」


あたしは

走った。

その時だ。


キィーッ!!

ドン!!


「裕ー!!」


あたしは

叫んだ。


「救急車、救急車ー!!」