あれから1週間たった。

上野はずっと意識不明のままだ。


ケイタはもちろん、ほかのみんなも授業のことなんて頭に入っていなかった。
始業式の長々とした校長の話さえ、短く感じられたほどだ。


常に学年トップの川嶋でさえ、試験のときまで上野のことを考えてしまい、3番に落ちた。

それでも、上位というのはケイタはすごいと思う。



その日の放課後、いつものように病院へ向かった。


上野の病室がいやに騒がしい。

何かあったのか、とケイタら6人は顔を見合わせ、走った。


入り口に駆け込むと、上野の両親がケイタらを背に、ハンカチで顔をおさえていた。
そのまわりには、誰もいない。


その両親の嗚咽だけが室内に響いている。