懐かしく、響く声。


ぽろぽろと上野の頬に涙がこぼれた。



―俺を、待っていてくれてる・・?




そのとき、薄暗い中に何かの塊がういているのが見えた。



「・・・千羽鶴・・?」


両手で、おそるおそる触ってみる。



頭の中に、さまざまな光景が浮かんできた。



さとことゆりかが作った菓子。

クマが特にひどい間宮の顔・・・


そして、朝方まで眠い目をこすって作っている千羽鶴・・・・・




―俺も、がんばらなきゃな・・?


そのとき、目の前に一筋の光が上野を照らした。


少年は迷うことなく、光に飛び込んでいった・・・