私達はそれから言葉を 交わさなかった。 湊の声を聞いたのは、 あの未紀という女の人から 電話がきた時…。 「おやすみ」 やっと言葉を 交わせたのはこの時。 驚きと嬉しさで声が 上ずりながらも返した。 けれど…いつもは 抱き締め合ったり、 手を繋いだりして寝るのに、 湊はベットの端で 私から離れて寝た。 気付かれないように私も端で 泣きながら眠った。