あなたのモノ




そんな手で、触らないで。



手をはらった瞬間、
彼女の表情がガラッと変わった。



「あんたね、
私が仲良くしてあげようと思って
下手に出てやってるんじゃない。

それをいいことに生意気
言うんじゃないわよ!!」


表情だけではない。
口調まで変わった。

きっとこれが本性だろう。



「は?誰が仲良くしてほしいって
言ったわけ?誰もそんなこと…─」




ーパンッ


乾いた音が部屋に響いた。