父が仕事を探して 家を空けている時は 彼女と私が二人きりになる。 「希未ちゃん! 一緒にお買い物行かない?」 小走りで私に寄って来て、 ニコニコと笑いながら言った。 「…遠慮しときます」 「ほら、せっかくの お休みでしょ? だから行きましょうよ」 私の腕に手を回してきた。 ーパシッ 「触んないでよ」 自分でも冷たいだろうな、と 思うほどの言い方をしてしまった。 でも…触ってほしくない。 そんな汚い手で…