「じゃあ、いってくるな」 「いってらっしゃい」 そう言って鞄を渡す。 渡しても立ち止まったままで 動かない。 「ん」 そう言って私の顔をじっと見る。 何が言いたいのか すぐにわかった。 頬に軽くキスをした。 そして、 「いってらっしゃい」 再び言うと、笑顔を見せて 部屋を出て行った。