寄せては返す波の音で、私の鼓動もかき消す。 「・・・綾乃は・・・海、好き?」 不意に出た咲夜さんの言葉に横を見る。 目を細めながら海を見つめている表情は、言われなくても海が好きなんだということがわかった。 「私も・・・好きですよ・・・」 "好き"という言葉に敏感になりすぎているのか、ドクンとひとつ大きな鼓動を打った。 夜の砂浜に2人座って、海を眺めているなんてまるで恋人同士みたいだ。 そんなこと考えながら、零れ落ちてきそうな満点の星空をみあげた。