【短編】嫉妬[続2編追加]

「俺が好きなのは、綾希だけだよ。」


尚冶は、私を普段綾と呼ぶのに綾希と呼んだ。


そういうときは、真剣な話をするとき。


「ありがとう。私も尚冶が好きなの。だけどね。」


気持ちが通じ合っていても不安なのは仕方ない。


どうしたら不安を払拭できるかなんて私にはわからない。


「綾希、わかった。」


「えっ?なにが?」


私には、わからないよ。


「俺、綾希の気持ち考えてなかった。綾希を守るためにやっていたことが不安の原因なんてさ。」


「わかってる。私がわがままなだけだから....」


どうすればなんて、選択なんてない。


私が我慢すればうまくいくんだから。


「俺は、綾希のすべてを受け止めたい。俺ができることだったら、綾希の願いを叶えたい。俺は、綾希だけが大切だから。」


「尚冶」


「ほんとはさ。綾希が俺の彼女だって言いたいよ。ただ、なんかされるんじゃないかって怖くてさ。矛盾してるよな。守るっていいながら....」


「いいの。私、嬉しいよ。尚冶が私の事を考えてくれてるだけで。」


私は、尚冶に抱きついた。