【短編】嫉妬[続2編追加]

「俺が綾希の幼なじみだから。」


そう、小さい頃から遊んでた幼なじみ。


いつも一緒にいた。


お互いに一人っ子だから、兄妹のように過ごしてきた。


たぶん、私だけがそう思ってきた。


「蒼」


「そうやって、俺の名前を呼び捨てするだろ?」


「それが?」


今さらだよ。


ずっとそうだったから。


「尚冶は、いつも妬いてるんだよ。尚冶以外に男で名前を呼ぶのは俺ぐらいだから。」


「男友達がいないから仕方ないでしょ?」


「尚冶にしたら、俺だけで十分ってのがあるんだよ。」


独占欲って言うのかな?


尚冶は、そんなに私を好きでいてくれるの?


嬉しい。


「自信もっていいのかな?」


「今更?尚冶と綾希は、周りからも公認の仲なのに?」


蒼は、苦笑い。


「公認の仲だなんて....」


自信なんてない。


尚冶は、掛け値なしにかっこいい。


私がつきあってるだなんて奇跡に近いから。


「綾希は、いつもそうだよな。」


蒼は、私の頭を優しく撫でてくれた。


これされるとお兄ちゃんみたいって思っちゃうんだよね。