自分でも何を言っているのか分からないくらいに言葉が震える。 あたしは、呆然と立ち尽くしている先輩に一礼をして、目をパチパチさせる雪ちゃんの手を引っ張ってホームを走った。 「馬鹿だろ、アイツ」 そう言って微笑んでくれた先輩がいたなんてあたしはこれっぽっちも気づかなかった。