考え込んでいたあたしの頭上から影がつくられた。 その声にガバッと顔を上げると…。 「ゆう…と先輩…」 「盗み聞きなんて悪趣味だな?」 「あ…あの…」 久しぶりに話すことが出来て、嬉しくて涙が出そうになる。 「…ちょっと来い」 大きな先輩の手があたしの手首を掴んで階段を上って行く。 潤んでいく視界に顔を上げることが出来ず、促されるまま。 ガチャ 「何泣いてんの?」 「泣いて…ない、です…」