廊下に出たあたしは、行く宛のない脚を進めた。 そんな急に言われても…。 ぼんやりと窓の外を見た。 「なぁ…マジで頼む!」 「無理に決まってんだろ」 「そこを何とか!!」 階段側から聞こえてきた大きな声に耳を傾けると聞き覚えのある声。 「悠翔しかいないんだよッ」 「………で?俺は何をすればいーわけ?」 諦めたのか、声のトーンを1つ下げて話す先輩。 久しぶりに見た先輩に胸がキューンとなった。