ドアが閉まってから近づいて来ているのが後ろを向いていても気配でわかった。 ……来ないでよー! 「あっれ~? この制服って聖華のだろ?」 あたしのすぐ後ろから聞こえてきた声。 「何でお嬢様が電車なんか乗ってんの?」 息を止めたくても入ってくるキツイ香水の匂い。 ビクッ 「ねぇ、無視?」 肩に置かれた手を振り払おうとしたら、身体ごと回された。