俺には一つ年下の幼なじみがいた。


小柄だった俺と余り身長の変わらない

長い黒髪の女の子。

薄い茶色の瞳で

その表情を目まぐるしく変え

コロコロと笑ったり

怒ったりしながら

いつも俺の後についてくる

おてんばな娘だった。


近所のおばさんや、俺の両親

いや、彼女の両親でさえ

彼女は明るく元気なしっかりものの女の子だと思っていたようだ。

でも、俺は知っていた。

あいつはそんなに強い娘じゃないってことを…。


あいつは凄くさびしがりやだったけど、あまり人前で泣く事は無かった。

あいつが可愛がっていた小鳥が死んだときも

子どものくせに、声を堪えて静かに泣いていた。

その姿があまりに苦しそうで、

切なくて…

俺はいつかあいつを護ってやろうと思ったんだ。


その日から


俺は人前では決して泣かなくなった。