【短編】雪うさぎ

「本当にゆうちゃんなの?」

声が震えてうまくしゃべれない。

体がガクガクと震えて止める事もできない。


ゆうちゃんはあの日のように、私を抱きしめた。


「泣いていいよ。我慢しないで・・・。約束守ってたんだな」


堰を切ったように涙が溢れ出す。


10年分の想いを込めてゆうちゃんにしがみつく。



泣きじゃくる私の耳元で

ゆうちゃんは何度も

遅くなってゴメン…と謝ってくれた。