夏恋~それは永遠に~

「ほんとにいい?」


「うん、行く」


私は、ゴシゴシと手の甲で涙を拭いた。


「乗って」


「うん」


親には、玄関でいいと言ってきた。


車の窓から、もう一度家を見た。


私が育った家。


名字が変わったら、もう私の家じゃなくなる。


そんな気がした。


「結婚式、ほんとにしなくていいの?」


「いいの」


「ウエディングドレスって、女の子の憧れだと思ってた」


「そりゃ、憧れだけど。どうせすぐ、お腹大きくなるし」


「そっか」