お互いの親に挨拶を済まして、私は充のマンションに引っ越すことにした。


「菜々、荷物これだけでいいの?」


「とりあえず。後はまた、取りに来るからいい」


私の荷物を詰めたダンボールを抱えて、充が私に聞いた。


「お父さん、お母さん、今までお世話になりました」


ほんとは、結婚式の前に言う言葉なんだけど。


家出てくのは、今日だから。


親に挨拶した。


「充留君、菜々美と子供を頼んだよ」


「はい」


「菜々美、無理はしちゃダメだからね」


「わかった」


お父さんとお母さんは、かなり心配してた。


まあ、突然娘が出てくんだからね。


しかも、出来ちゃったから。