私は充の腕を引っ張った。


「お父さん、お母さん、連れてきた」


私はそう言って、リビングに入った。


「おじゃまします」


充は頭を下げながら、リビングに入ってきた。


お父さんとお母さんは、床に敷いてあるフワフワのマットの上に座ってた。


「どうぞ、座って」


最初に口を開いたのは、お母さんだった。


「今お茶を」


「いえ、お構いなく」


充の言葉に少し笑って、お母さんは台所に向かった。


私たちは、机をはさんで座った。


お母さんがお茶を持ってきてお父さんの隣に座ったところで、充が口を開いた。


「はじめまして、山下充留です。菜々美さんと、お付き合いさせていただいてます。突然の訪問、お許しください」


お父さんとお母さんは驚いた顔してたけど、やっぱりって顔もしてた。