「だからまた、菜々に会えて嬉しかった。まさかの、報告付きだったけど」


「・・・」


「こーゆーのを、一目ぼれって言うのかな?」


照れたように笑うあいつ。


「俺は、菜々もお腹の子も好きだ。だから、考えて」


「・・・うん」


「一緒に育てよ?」


「・・・」


何も答えない私の頭をあいつはなでた。


「帰るね。電話する」


「待ってる」


私はそれだけ言うと、車を降りた。


そのまま早足で、ホームに向かった。


あいつが私のこと好き・・・


そんなの、思いもしなかった。