「なにか質問は?」


「えっと・・・特には」


「そっ」


「社長、ちょっといいですか?」


「なに?」


そう言うと、あいつは立ちあがって呼ばれたところまで行った。


「ここなんですけど・・・」


「ああ。これは・・・」


真剣な顔。


丁寧で、的確なアドバイス。


この仕事を、本気でしてるってことがわかった。


「菜々」


「あっ、なに?」


いつの間にか、あいつは私のところに戻ってた。


「なに、ボーっとしてんの?」