「生!待ちなさい!」


今日も私の大きな声が、家中に響く。


「べーっだ」


舌を出しながら、私から逃げてく生。


お風呂上がりは、いつもそう。


裸のまま、家中を走り回る。


生はもう、3歳になった。


「パジャマ着なさい」


「ヤダよ」


「生!」


「菜々、んな怒るなって」


髪の毛をタオルで拭きながら、充がお風呂場からリビングに現れた。


「充がお風呂場で、ちゃんと着せてくれればいいのに」


やっとのことで生を捕まえて、パジャマを着せる。


「暑いもんな、生」