「お母さんは、強くないと。もちろん、お父さんもな」


「うん!」


やっと菜々の顔に、笑顔が広がった。


「産まれるまでは不安だろうけど、一緒に頑張りましょうね」


「はい」


菜々が優しくお腹に手を置いた。


「ありがとうございました」


頭を下げて、診察室を出た。


自然に手をつないでいた。


「今度は、パパと一緒だよ」


「ん?」


「あの子のときは、私一人だったから」


「そっか」


最初の妊娠のときは、私一人で病院に行った。


でも今は、隣に充がいてくれる。